エナジードリンクは自律神経を乱し、うつを悪化させる。
うつっぽい症状がある場合、エナジードリンクは危険です。
その理由を自律神経という視点からご紹介します。
1.自律神経とは?
自律神経とは自分の意志でコントロールできない神経です。
例えば、心臓の鼓動や胃腸の動きは自律神経によってコントロールされています。
自律神経には大きく分けて2種類の神経があります。
交感神経
1つめは興奮・緊張・ストレスなど人体を活性化させる交感神経です。
やる気や集中力を出し、戦闘モードになるときに優位となる神経です。
生存が脅かされるような状況では交感神経が活発化、不安・焦り・動悸などの反応が生じます。
副交感神経
2つめは休息・リラックス・快復など人体を落ち着かせる副交感神経です。
心身を休ませて回復させる神経です。
夜寝る前のリラックスしたときや寝ているとき、腹式呼吸をしているときなどは副交感神経が優位になります。
自律神経はバランスが要
重要なのは交感神経と副交感神経のバランスです。交感神経と副交感神経のバランスの取れた状態を自律神経が整うと言い、健康な心と体を維持することができます。
自律神経が乱れるケースとして多いのが、交感神経が優位となるケースです。
心身を休ませ回復させる副交感神経に対して、戦闘モードの交感神経が優位となり過ぎ、常に不安や焦りといった感情に悩まされてしまう。
これが現代人に多い自律神経の乱れです。
2.自律神経を乱すエナジードリンク
なぜエナジードリンクは自律神経を乱すのか?
それはエナジードリンクに多量に含まれる砂糖とカフェインが原因です。
砂糖の影響
多量の砂糖を摂取すると、人体では次のようことが起こります。
①血糖値が急上昇する。
②血糖値を下げようとインスリンが大量分泌される
③大量のインスリンで血糖値が急低下する
④急低下した血糖値を上げようと脳内ホルモンを分泌される
⑤過剰に脳内ホルモンが分泌され自律神経が乱れる
血糖値を上げる脳内ホルモンがアドレナリンとコルチゾールです。
この2つのホルモン、本来は身に危険が迫った時に分泌されるものです。
アドレナリンとコルチゾールは交感神経を活発化、体を素早く緊張させて戦闘モードへと切り替えます。
身に危険が迫った時に働くはずのアドレナリンとコルチゾールですが、多量の砂糖摂取でも働いてしまいます。
すると交感神経が優位になって日常的に興奮・緊張状態となり、不安・あせり・恐怖を感じやすくなってしまいます。
この症状を低血糖症と呼びます。
うつ患者の多くが潜在的に低血糖症を抱えています。
低血糖症について詳しく知りたい場合、こちらの記事を参照ください。
カフェインの影響
カフェインを摂取するとアドレナリンとコルチゾールが分泌されます。
アドレナリンとコルチゾールは交感神経を活発化し、体を素早く緊張させて戦闘モードへと切り替えるホルモンです。
つまり、カフェインの摂取で交感神経が優位となって不安・あせり・恐怖を感じやすくなってしまいます。
コーヒーはダメなのか?
「カフェインがダメならコーヒーもダメなの?」
こう思う方も多いと思います。
確かに、コーヒーもカフェインを多く含むため、自律神経を乱しやすい飲み物とも言えます。
ただ、コーヒーは自律神経を乱しにくい飲み方ができます。
その飲み方は簡単で次の2点を守ること。
- 砂糖を入れないこと
- ホットで飲むこと
砂糖を入れなければ、血糖値が暴れて、自律神経が乱れることもありません。
そして、ホットで飲むことで、時間をかけて飲むことになります。するとカフェインの摂取をゆっくりにさせ、自律神経への悪影響を限定的にすることができます。
逆に、アイスコーヒーは一気飲みしやすいのでやめましょう。
ちなみにコーヒー以外の紅茶や緑茶などのカフェイン飲料に関しても同様の飲み方がオススメです。
3.気合を入れたいときに飲むのは?
もし気合を入れたいなら、カフェインをゆっくり摂取できる砂糖無しのホットコーヒーにしましょう。
カフェインは交感神経を優位にしますが、上手に使えばやる気・集中力を引き出す強い味方になってくれます。
カフェインを否定するのではなく、いかに上手く利用するかが重要です。
どんな道具も使い方次第。
エナジードリンクに頼らず、砂糖無しのホットコーヒーで賢く気合を入れませんか?