お得に見える持株会 実は危険な件について
入社してしばらくするとアナウンスされる持株会。
持株会に入ると奨励金が出るなど、有利な条件で自社の株式を購入することができます。
そんな持株会ですが、実はかなり危険だということはご存知でしょうか?
本記事では、持株会のリスクについてご紹介します。
- 1.持株会が危険な理由
- 2.自社株で資産形成した人の悲劇
- 3.投資の大原則は分散投資
- 4.持株会の奨励金に惑わされてはいけない
- 5.本気で資産形成を考えるなら、持株会ではなくインデックス投資
- 6.まとめ
1.持株会が危険な理由
持株会が危険な理由は、給料も資産も会社に依存してしまう点です。
早い話が全てを会社に預けることになます。
つまり、何もかもを会社に一点集中することになります。
会社が成長していれば問題ありませんが、先行きが不透明な現代では大企業でも倒産するケースがあります。
もし給料も資産も会社に依存した状態で、会社が倒産すると一気に全てを失います。
このことから、資産として自社株を保有するのは危険過ぎます。
2.自社株で資産形成した人の悲劇
ここでは、自社株で資産形成した人の悲劇をご紹介します。
アメリカの自動車メーカーに「クライスラー」という会社があります。
日本で言うと「トヨタ」レベルの超大企業です。
クライスラーに勤めている人には、自社株で老後の資産形成をしている人が数多くいました。
彼らの多くは、大企業であるクライスラーは絶対につぶれないと信じていました。
しかし、クライスラーは2007年の金融危機で経営破綻します。
彼らが老後のために蓄えた資金は、クライスラーの破綻で消え去りました。
3.投資の大原則は分散投資
投資の世界では分散投資が大原則。
分散投資とは、投資先を複数に分散させることを言います。
広く分散された株を持てば、リスクを軽減できます。
何か経済的なできごとが起きても、すべての会社が同じ影響を受けるわけではないためです。
不景気になれば宝飾・エンタメなどの産業は売り上げは減りますが、逆にスーパーなどの小売業は売り上げが増えます。
このように、投資先を分散すればリスクを軽減できます。
でも、資金力のないサラリーマンがたくさんの会社の株を広く保有するなど可能なのか?
実は可能です。
それを可能にするのがインデックス投資。
インデックス投資とはインデックス・ファンドという株式市場全体の株をまとめた金融商品を買う投資法のことです。
インデックス・ファンドには様々な種類があり、例えば日本株をまとめたものや、先進国株をまとめたもの、あるいは全世界株をまとめたものなどがあります。
インデックス・ファンドの魅力は低額でたくさんの会社の株を保有できる点です。
何と100円から始めることができます。
4.持株会の奨励金に惑わされてはいけない
持株会の最大の魅力は、会社から補助される奨励金です。
奨励金とは、自身の購入金額に加えて会社から補助されるお金のこと。
奨励金の相場は大体10~20%です。
例えば、自身の購入金額が月5000円で奨励金が20%だと、会社から月1000円の補助が出ます。
一見するとお得に見える制度です。
ただ、先ほども述べたように会社が倒産すれば株の価値は無くなります。
いくら奨励金が出ても、会社が倒産してしまえば価値は0です。
奨励金という、目先の利益に惑わされないように注意してください。
5.本気で資産形成を考えるなら、持株会ではなくインデックス投資
もしあなたが本気で資産形成を考えるなら、持株会ではなくインデックス投資をオススメします。
というのもインデックス投資は長期で見ると年7%もの利益を出すのです。
これは、バブル期の定期預金の金利と同等です。
年7%は単純計算すると、10年4カ月で資産が倍になる金利です。
投資と聞くと多くの人が「危険で恐ろしいもの」と思いがちですが、ローリスク・ローリターンなインデックス投資は堅実な投資法として有名です。
投資についての誤解を解くためにもこちらの記事を読んでいただければと思います。
6.まとめ
本記事をまとめると以下の通りです。
- 持株会は給料も資産も会社に依存してしまうためハイリスク
- 投資の大原則は分散投資
- インデックス投資であれば100円から広く分散投資ができる