睡眠の借金「睡眠負債」
「睡眠負債」という言葉をご存知でしょうか?
世界的にも睡眠不足の人が多い日本は、睡眠負債が深刻な国です。
本記事では、万病の元になる睡眠負債について説明します。
1.睡眠の借金「睡眠負債」
睡眠負債とは睡眠不足を借金に例えた表現です。
日々の睡眠不足が少しづつ溜まっていくと、やがて債務超過となって万病へとつながります。
世間では「たかが寝不足」と軽視されがちですが、睡眠負債が招く結末は深刻です。
睡眠負債が重なり、破綻すると心身に深刻な症状が現れます。
睡眠負債によって引き起こされる病気は以下の通り。
- 心疾患
- うつ病
- 認知症
- がん
いずれもヘビーな病気です。
睡眠負債は、なぜここまで深刻な病気を招くのか?
この答えを知るためには、そもそも睡眠にはどんな役割があるのかを知る必要があります。
2.睡眠の役割
睡眠の役割を一言で言うなら、「日中に受けたダメージの回復」です。
私たちは眠りにつくと骨・筋肉の成長や免疫システムの強化などが行われます。
また、脳と頭蓋骨の間にある脳脊髄液の入れ替えを行い、脳の老廃物を除去します。
このように、睡眠は脳と体が日中に受けたダメージを修復するという役割を担っています。
しかし、睡眠負債が溜まっていくとダメージを修復することができなくなります。
繰り越されたダメージは脳と体を徐々に破壊していき、最終的には重い病気という形で現れます。
3.睡眠負債が深刻な日本
日本は諸外国に比べて睡眠負債が深刻というデータがあります。
日本と外国の睡眠時間を比較した結果を見てみましょう。
- フランスの平均睡眠時間:8.7時間
- アメリカの平均睡眠時間:7.5時間
- 日本の平均睡眠時間:6.5時間
3つの国の中で、日本はかなり短眠です。
この結果はあくまで平均。
なので、日本には6.5時間すら睡眠できていない人も多いのです。
日本では睡眠時間が6時間未満の人が約40%もいると言われています。
ちなみに、6時間未満は短時間睡眠のラインとされています。
日本人が短眠である調査結果は他にもあります。
例えばミシガン大学が2016年に実施したネット調査では100ヵ国中、日本の睡眠時間は最下位でした。
以上から、日本人の睡眠状況は世界的に見ても深刻な状況です。
4.睡眠負債の解消法
睡眠負債の解消法として真っ先に思いつくのは週末の寝だめ。
結論を言うと、週末の寝だめでは睡眠負債は解決しません。
なぜなら、週末の寝だめでは全く睡眠が足りないからです。
睡眠負債を寝だめで解消するには、3~4週間に渡って毎日寝だめする必要があるのです。
例えば、たった40分の睡眠負債を返すのに必要な寝だめは、14時間睡眠を3週間です。
これを実現できる人は中々いないでしょう。
睡眠負債の解消法はシンプルです。
毎日の睡眠時間を増やすこと。これだけです。
この答えを聞いてガッカリするかもしれません。
睡眠負債を一気に返済する魔法はありません。
単純ですが、コツコツ睡眠時間を増やすことが有効なのです。
5.睡眠時間を増やすテクニック
睡眠時間を増やそうとするけど、中々うまくいかない。
もしこんな悩みがあるなら、次のテクニックがオススメです。
そのテクニックとは、夜10時以降はデジタル・デバイスを使わないことです。
スマホやパソコンといったデジタル・デバイスを断ち、ネット環境を遮断すると自由に使える時間が劇的に増えます。
というのも、デジタル・デバイスは際限なく時間を奪う存在なのです。
動画・ゲーム・ニュース、あらゆるコンテンツが無限に存在するネット環境は、まさしく時間泥棒。
奪われた時間のしわ寄せは、睡眠時間へと来ます。
「ネットに夢中で寝るのが遅くなった!」という経験は、きっと僕だけではないと思います。
6.最後に
本記事では睡眠負債についてご紹介しました。
睡眠負債について、より詳しく知りたい場合は「スタンフォード式 最高の睡眠」という本がオススメです。
著者の西野精治氏は睡眠研究の総本山、スタンフォード大学の教授です。
そんな睡眠研究の最前線にいる先生が書いた本書は、睡眠の知識・テクニックが満載です。
健康への影響力を考えると、睡眠時間はコスパ最強の投資対象だと思います。
睡眠時間を確保するだけで、健康という最強の資産が手に入るのだから。