低すぎるコレステロール値はうつを招く。
コレステロールはメンタルの安定のために非常に重要な役割を果たしています。
本記事は誤解の多いコレステロールの汚名を返上し、メンタルの健康に寄与する存在であることをご紹介したいと思います。
1.コレステロールとは?
「そもそもコレステロールとは何なのか?」
コレステロールは健康診断の常連ですが、聞かれると説明に困る人も多いのではないでしょうか?
コレステロールは人の体に存在する脂質(油)の1種です。
コレステロールの役割は大まかに以下の4つです。
- ホルモンの材料となる
- 神経線維を包む神経鞘の材料となる
- 細胞膜の材料となる
- 脂肪の消化・吸収を助ける胆汁酸の材料となる
2.コレステロールと「うつ」の関係
「コレステロールとうつがどう関係するの?」と思われるかもしれません。
コレステロールが低いと「うつ」になりやすいです。
というのも、コレステロールは精神の安定に大きく関わる存在なのです。
うつ病患者のコレステロール値調査によると、うつ病時はコレステロール値が低く、回復時はコレステロール値が高かったと報告されています。
また、コレステロール降下薬を処方された人が「うつ」になりやすいというのも有名な話です。JR中央線で自殺した人の調査では、自殺者の90%がコレステロール降下薬を飲んでいたという話もあります。
ではなぜコレステロールと「うつ」が関係するのでしょうか?
その関係について2つの視点から説明します。
●コレステロール不足によるホルモン不足
コレステロールを原料に作られるホルモンとしてコルチゾールというホルモンがあります。このコルチゾールはストレスに対抗する役割を持つことから、別名でストレスホルモンとも呼ばれます。
コルチゾールはやる気や元気をもたらすホルモンです。コルチゾールが減ると、気力がなくなり、疲れやすくなります。
コレステロールが低下してコルチゾールが少なくなると次のような症状が現れます。
- 寝ても疲れがとれない
- 朝がしんどい
- やる気が出ない
- 何もないのに悲しい
- スタミナが下がる
- 性欲が落ちる
- 頭の回転が鈍る
- これまで好きだったことにさえ興味がなくなる
上記のように、コルチゾールが減ると典型的な「うつ」症状が現れます。
●コレステロール不足による神経鞘不足
コレステロールは神経線維を包み込む被膜である「神経鞘」の材料となります。「神経鞘」は電気コードの銅線を包む絶縁ビニールみたいなものです。
コレステロールが不足して「神経鞘」を充分に作られなくなると神経回路は漏電状態になります。すると、脳神経は正確な情報伝達機能を維持できなくなってしまい、次のような症状が現れます。
- 落ち込みやすくなる
- 感情的になる
- 思考がまとまらない
3.コレステロールを増やすには?
コレステロールを増やすためのアクションは次の2つです。
- カロリーを充分に摂ること
- 卵・肉・魚などのタンパク質を摂ること
コレステロールの約80%は体内で合成されますが、充分なカロリーが無いと合成がうまくできません。
また、合成したコレステロールを血中に運び出すにはタンパク質が必要となります。タンパク質はコレステロールにとってトラックのようなものなのです。
世間ではカロリーが敵視され、卵・肉・魚といった食品よりも炭水化物や野菜を食べるよう喧伝されがちです。しかし、「うつ」っぽい人に必要なのはカロリーと卵・肉・魚といったタンパク質なのです。
4.最後に
本記事は『「うつ」は食べ物が原因だった!』という本 を参考に記述しました。
本書は分子整合栄養医学と呼ばれる栄養療法について書かれた本で、日ごろ食べているものがメンタルに多大な影響を与えることを指摘しています。
「うつ」というとほとんどの人が社会的ストレスからくる精神疾患をイメージします。
確かに社会的ストレスの影響は大きいと思います。
僕自身、就職後に慣れない環境とノルマなどから「うつ」に陥ったことがあるので社会的ストレスの影響は分かっているつもりです。
その上で僕が思うのは、食べ物が与えるメンタルへの影響力は社会的ストレスに引けを取らないということです。
「あなたは、あなたの食べた物からできている」
食べ物が与える影響は、きっとあなたが考えているよりも大きいです。
もしあなたが「うつ」に苦しんでいるなら、栄養療法を試す価値はあると思います。
最後に、この記事があなたの健康に寄与するものとなれば幸いです。