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現代人の腸はボロボロ⁉ 謎の体調不良を招くリーキーガット症候群

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1.現代人の抱える「謎の体調不良」

「なんとなく体調が悪い」

 

厚労省によると日本人の約4割が「謎の体調不良」に悩んでいます。

 

こんなにも多くの人が抱える「謎の体調不良」。

病院に行って相談しても

  • 加齢が原因
  • 気のせい
  • 更年期
  • 原因不明
  • 寝れば治る

こんな風に言われて終わりというパターンが多いです。

 

では、この「謎の体調不良」の正体とは何なのか?

 

それは慢性炎症です。

 

そもそも炎症とは何か?

 

「虫に刺された場所が赤く腫れた」

 

これが炎症の典型例です。

炎症は体を異物から守る防御システムです。

他の例で言うと風邪。

体内に侵入した細菌・ウイルスを撃退するために発熱・せき・鼻水といった症状が現れます。これも炎症です。

 

これらの炎症は短期間で激しく症状が現れる分かりやすいものです。

 

ところが、現代人の抱える慢性炎症はもっと分かりにくい形で発生します。

 

例えばアトピー性皮膚炎

風邪による高熱などの激しく短期間で終わる症状と違い、アトピー性皮膚炎はジワジワと長期にわたって体を苦しめます。

 

さらに例を挙げると、花粉症も慢性炎症の1つです。激越な症状こそ出ませんが、涙や鼻水などのアレルギー反応がジワジワと長期にわたって続きます。

 

では、これら慢性炎症の原因は一体何なのか?

 

それこそが今回紹介する腸の炎症「リーキーガット症候群」です。

 

2.腸に課せられた難しい仕事

リーキーガット症候群について説明する前に、腸という臓器について説明します。

 

「腸の仕事とは?」

 

こう聞かれてどう答えますか??

  • 栄養を吸収する
  • 便を作る

こんな感じではないでしょうか?

確かに間違いではないです。

 

ただ、腸に課せられた難しい仕事が抜けています。

それは必要な栄養を吸収しつつ、細菌・ウイルス・アレルゲンを侵入させないという仕事です。

必要なものを選びつつ、余計なものは追い払う。

正直言うと、コレ凄いことです。早い話が達人技です。

私たちの健康は、腸の達人技によって支えられているのです。

 

ところが、腸がダメージを負うと達人技に狂いが生じます。

 

必要な栄養の吸収力がガタ落ちし、本来であれば追い払うはずの細菌・ウイルス・アレルゲンの侵入を許してしまうのです。

 

なぜこんなことになってしまうのか?

 

その原因こそがリーキーガット症候群です。

 

3.腸の破綻 リーキーガット症候群

「リーキーガットって何やねん??」

恐らく聞き慣れない言葉だと思います。

リーキーガット症候群は、日本語で言うと腸漏れ症候群。

腸粘膜に小さな穴が開き、本来であれば追い払う異物が侵入してしまう腸の状態です。

 

では細菌やウイルス、アレルゲンといった異物が侵入すると何が起こるのか?

 

侵入した異物に対して免疫システムが作動、激烈な攻撃を行います。

その結果、全身のあちこちが戦場と化します。

戦場と化した体で起きるのが、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーといった慢性炎症です。

 

異物が腸を突破し、侵入を続ける限り免疫システムは攻撃を続けます。この攻撃が続く限りアトピーや花粉症といった慢性炎症はおさまりません。

 

リーキーガットが招く症状はアトピーや花粉症だけにとどまりません。

リーキーガットは「うつ」「慢性疲労」を招くのです! 

 

なぜリーキーガットが「うつ」「慢性疲労」を招くのか?

 

それは腸を突破した侵入者と免疫システムが繰り広げる戦いによって、ある臓器がボロボロになるためです。

 

その臓器の名前は副腎

 

正直、聞き慣れない臓器だと思います。

 

しかし、副腎は「うつ」「慢性疲労」において鍵となる存在です。

 

副腎はやる気・元気の源となるホルモン「コルチゾール」をつくる工場なのです。

 

もし、副腎からコルチゾールが分泌されなければ人体はまともに動きません。

朝起きて動けるのも、コルチゾールが血圧・血糖値を上げてくれるおかげです。

 

しかし、リーキーガットによって体のあちこちで炎症が生じると問題が生じます。

 

炎症を抑えるためにコルチゾールがバンバン分泌されるのです。

というのも、コルチゾールには炎症を抑える作用もあるのです。

副腎が元気なうちは問題ありませんが、大量のコルチゾールを分泌し続けるとだんだん疲れてきます。

そして副腎が限界を迎えると・・・。

 

やる気・元気の源であるコルチゾールを分泌できなくなります。

 

すると何が起こるか?

  • 朝起きられない
  • 寝ても疲れが取れない
  • やる気が出ない
  • 何となく焦って不安
  • 体力が落ちた

もしこのような症状を抱えて精神科・心療内科に行くとどうなるか?

十中八九、抗うつ剤を出されてお茶を濁されるのがオチです。

副腎疲労についてはこちらの記事も参照ください。

masao3.hatenablog.com

 

いくら抗うつ剤を飲もうが、炎症の根っこである腸を改善しない限り状況は改善しません。

 

大胆なことを言うと、腸の健康なくして心身の健康なんてありえないのです。

 

4.リーキーガットの原因

ここまで読んでリーキーガットのヤバさについて分かってもらえたと思います。

 

ではなぜリーキーガットになってしまうのか?

 

リーキーガットになる原因は次の4つです。

 

4-1.腸内フローラのバランス崩壊

腸内には様々な腸内細菌が住んでいて、独特の生態系を構築しています。その生態系を腸内フローラと呼びます。

そんな腸内フローラには3種類の腸内細菌グループがあります。

①善玉菌・・・消化吸収を助け、感染予防をする

②悪玉菌・・・毒素・発がん性物質を放出する

③日和見菌・・・善玉菌と悪玉菌のどちらか有利な方に味方する

 

腸の中は常にこの3勢力がドンパチ陣取り合戦をしているのです。

 

腸内フローラが整っているとは早い話、善玉菌が優勢という状況です。

逆に腸内フローラのバランス崩壊とは、悪玉菌が優勢という状況です。

 

厄介なことに、現代でフツーに生活していると簡単に悪玉菌が優勢になってしまいます。

ここで、現代人がハマりやすい悪玉菌を優勢にしてしまう4つのドボンポイントを紹介します。

 

4-1-1.ストレス

「ストレスが良くない」

こんな忠告は正直聞き飽きてると思います。

ストレスの影響は腸も例外ではありません。

というのも、ストレスを受けて自律神経が乱れると悪玉菌が増えるのです。

複数の報告から、ストレスを受けた人の便は悪玉菌が増えていることが示されています。

 

4-1-2.食品添加物

何となく体に悪いイメージのある食品添加物。

ぶっちゃけると、イメージ通り体に悪いです。

例えばph調整剤、人工甘味料、乳化剤など。

カップ麺などの加工食品の成分表によく書かれています。

これらは悪玉菌を増やし、腸内フローラを崩壊させます。

 

「何でこんなモン入れてんだ?」と思うかもしれません。

当然理由があります。

例えば、ph調整剤。これは雑菌の繁殖抑える効果があるんです。

しかし、その雑菌を抑える効果は善玉菌にも牙をむくのです。

 

4-1-3.冷たい飲み物

冷たい飲み物が好きと言う人、要注意です。

冷たい飲み物は腸を冷やします。すると腸の運動力が低下、自律神経が乱れます。その結果、悪玉菌が増加し腸内フローラが崩壊するのです。

消化吸収能力を落とさないためにも、冷たい飲み物は避けた方がいいです。

 

4-1-4.抗生物質

風邪を引いたらすぐ抗生物質を使おうとする人、マジでヤバいのでやめといた方がいいです。

抗生物質を使うと腸内細菌が大量に死にます。その悪影響は多く報告されており、たった1回の使用で腸内細菌の1/3が死に、そのダメージは半年経っても回復しなかったほどです。

病気の時に抗生物質を服用することは仕方ありませんが、その代償を知っておくべきだと思います。

もっとも、近年は世界中で抗生物質の利用を減らす傾向にあり、日本でも無暗に処方されることは少なくなりました。

 

4-2.カンジダ菌の増殖

リーキーガットを招く2つ目の原因、それはカンジダ菌の増殖です。

カンジダ菌は腸内に住むカビ菌の一種です。

カンジダ菌は勢力が弱ければ何も悪さをしません。

しかし、勢力を増すと途端にトラブルメーカーへと豹変します。

増殖したカンジダ菌が腸の細胞組織を溶かし、腸粘膜を荒らすのです。

 

では、カンジダ菌が勢力を増す原因とは何か?

 

それは次の3つです。

 

4-2-1.甘い食べ物

カンジダ菌は甘い食べ物が大好物です。

カンジダ菌は糖質をエサにして増殖するのです。

なので、砂糖を大量に使用したお菓子やジュースはカンジダ菌を勢いづかせてしまいます。

 

4-2-2.抗生物質

腸内フローラを壊す要因として登場した抗生物質。

実はカンジダ菌を増殖させる要因にもなります。

というのも、カンジダ菌に抗生物質が効かないのです。

抗生物質を使用すると大量の腸内細菌が死にますが、カンジダ菌は生き残ります。するとカンジダ菌が勢力を増すのです。

 

4-2-3.植物性食品の鉄分

カンジダ菌は植物性食品の鉄を栄養にして勢力を増します。

なぜ植物性だけなのか?

それは動物性食品の鉄は小腸がスグに吸収するためです。

鉄不足を補うためにホウレン草やプルーンを食べるという人がいますが、植物性食品の鉄は吸収効率が悪いです。むしろ、吸収されなかった鉄がカンジダ菌など悪玉菌のエサとなり、健康を悪化させる要因にすらなります。

鉄を補うのであれば動物性食品、つまり赤身の肉が断然オススメです。

4-3.小麦と乳製品

リーキーガットを招く3つ目の原因は小麦と乳製品です。

 

あまりにも身近な食品のため、腸を荒らすと言われても多くの人が「そんな訳ないだろ」という反応をします。

 

まぁ、結論から言うと小麦と乳製品は腸にかなり負担をかけます。

 

その理由は小麦と乳製品に含まれるタンパク質にあります。

小麦に含まれるタンパク質「グルテン」と乳製品に含まれるタンパク質「カゼイン」。

この2つのタンパク質はヒトの消化酵素で分解されにくいのです。

分解されないまま腸に到達したグルテンとカゼインは腸にとどまります。

そして細かく分解されないまま腸から吸収され、腸の炎症の原因となります。

 

また、分解されずに吸収されたグルテンとカゼインはさらに悪さをします。

吸収されたグルテンとカゼインを異物と見なした免疫システムが攻撃を開始し、アレルギー反応を引き起こすのです。

 

4-4.毎日同じタンパク質を食べる

リーキーガットを招く4つ目の原因は、毎日同じタンパク質を食べることです。

 

「なんで毎日同じタンパク質を食べたらダメなんだ⁉」と思うかもしれません。

 

それはヒトの腸は毎日同じタンパク質を摂ることが苦手だからです。

どういうことかと言うと、ヒトの腸は毎日同じタンパク質を摂ると炎症を起こしてしまうのです。

 

よくあるパターンが、「毎日大豆製品を食べている」「毎日卵を食べている」などです。

大豆も卵もタンパク源としては優秀なのですが、毎日摂取することで腸粘膜が傷つき、リーキーガットの原因となってしまうのです。

 

5.リーキーガットを治すには?

「リーキーガットがヤバいのは分かった。で、どうやって治すんだ?」

ぶっちゃけ、一番気になるのは治し方でしょう。

というわけで、ここからはリーキーガットからの脱却方法5つをご紹介します。

 

5-1.腸内フローラを整える

先ほども説明したように、腸内フローラが崩壊するとリーキーガットが起こります。

裏を返せば、腸内フローラを整えることでリーキーガットを抑えることができます。

腸内フローラを整えるにはどうすればいいのか?

その方法として次の2つがあります。

 

まず1つ目は善玉菌の摂取です。

具体的には味噌・納豆・キムチなどの発酵食品を積極的に食べることです。

発酵食品は人体に有益な善玉菌を豊富に含んでおり、腸内フローラを善玉菌優勢にしてくれます。

また、ビオフェルミンなどの乳酸菌系の整腸剤も有効です。これらのサプリは善玉菌を一気に投入できるので、腸内フローラを効果的に整えることができます。

 

 

 

2つ目は食物繊維の摂取です。

善玉菌は食物繊維をエサに繁殖しています。

ところが、現代人の多くは食物繊維不足なのです。

厚労省は1日の食物繊維摂取量を20g以上と定めていますが、今の日本人は13~17g程度しか摂れていません。

その結果発生したトラブルが善玉菌の食糧難です。

対策はシンプルです。

食物繊維を多く摂ることです。

キノコ・海藻・こんにゃく・果物など食物繊維が豊富な食べ物は無数にあります。

ただ、僕が特にオススメしたのはココアです。

ココアは食物繊維量がダントツに多いスーパードリンクです。

食物繊維を稼ぐ際、ココアは強い味方となってくれます。

ただし、必ず砂糖なしのココアとしてください。(砂糖は悪玉菌のエサとなるため)

5-2.糖質制限

ダイエット法として一般に認知されている糖質制限。

実はリーキーガット対策としても効果を発揮します。

「糖質制限がなぜ?」と思うかもしれません。

それは糖質を制限することで、悪玉菌のカンジダ菌を抑えることができるからです。

先ほども説明したように、カンジダ菌は糖質が大好物です。カンジダ菌は糖質をエサとして増殖します。

だったら対策はシンプル。

糖質を摂らなければいいのです。

まず行うことは砂糖をやめること。

砂糖を大量に使用したお菓子やジュースはカンジダ菌を勢いづかせてしまいます。

カンジダ菌を抑える上で砂糖を止めることは必須のアプローチです。

糖質制限については以前書いた記事がありますので、興味のある方は是非参考にしてください。

masao3.hatenablog.com

 

5-3.小麦・乳製品・アルコールを控える

小麦・乳製品・アルコールはいずれも腸粘膜に負担をかけます。

繰り返しになりますが、小麦・乳製品に含まれるタンパク質「グルテン」「カゼイン」はヒトの消化酵素で分解されにくいのです。

分解されないまま腸に到達したグルテンとカゼインは腸にとどまります。

そして細かく分解されないまま腸から吸収され、腸の炎症の原因となります。

 

アルコールは腸壁を漏れやすくします。というのも、アルコールは腸の透過性を上げてしまうのです。早い話が腸のバリアを壊れやすくします。

 

小麦・乳製品・アルコールに対する対策はシンプルです。

食べるの控えるだけです。

控えると言っても、「全く食べない」訳ではないのでご安心を。

食べる回数を減らすだけで良いのです。

小麦・乳製品・アルコールを休む日をつくる。

これだけでも効果があります。

 

5-4.食べ物ローテーション

ヒトの腸は、毎日同じタンパク質を摂るのが苦手です。

ヒトの腸は毎日同じタンパク質を摂ると炎症を起こしてしまうのです。

よくあるパターンが、「毎日大豆製品を食べている」「毎日卵を食べている」など。

 

これを防ぐために有効なのが食べ物ローテーションです。

食べ物ローテーションとは、摂取するタンパク質の種類をローテーションすることです。例えば今日は牛肉、明日は魚、あさっては卵、その次の日は鶏肉などのように摂取するタンパク質の種類をローテーションするのです。

こうすれば、同じタンパク質が続くことによる腸の炎症を防ぐことができます。

 

5-5ビタミンDの摂取

リーキーガットは腸粘膜の結合が緩んで小さな穴が開くものです。

実はこの結合を引き締める栄養素があります。

それがビタミンDです。

ビタミンDは免疫と密接な関係がある栄養素です。ビタミン摂取量が多い人は風邪を引きにくく、重症化しにくいとも言われています。

そんなビタミンDはリーキーガットを防ぐ栄養素としても活躍します。

ビタミンDは魚の内臓やキノコに多く含まれます。積極的に摂ることをオススメします。

また、ビタミンDは日光に当たることで作ることができます。

ビタミンDをつくるという意味でも、散歩はコスパのいい健康習慣です。

 

6.リーキーガットを知らない医師

実はリーキーガットを知らない医師も少なくありません。

知らないだけならまだしも、「リーキーガットなんて存在しない!」「あんなのはエセ科学!」とムキになる医師もいます。

 

そんな医師には「バクテリアルトランスロケーション(略称BT)」と説明すると納得してもらえると思います。

 

BTは重篤な患者さんが入院して寝たきりになり、高ストレス・絶食状態になった時に起こります。BTは腸粘膜に高度な萎縮が起き、腸内細菌やカンジダ菌、炎症性物質が腸から血流へ入り込むというものです。BTは命に関わる危険な状態です。

BTとリーキーガットが全く同じとは言いませんが、リーキーガットはプチBTと考えられます。

 

7.最後に

今回は腸の炎症「リーキーガット症候群」について紹介しました。

もし、あなたが便秘と下痢を繰り返すなどしている場合、それは腸からの悲鳴です。

腸は人体の免疫細胞の60%を占める重要な臓器です。

腸の健康なくして心身の健康はありえません!

腸をよみがえらせる健康へのメリットは測り知れません。

 

最後に、この記事があなたの健康に寄与するものとなれば幸いです。