メンタル安定の切札 ビタミンB群
うつ・不安感・焦燥感などメンタル不調で苦しんでいるなら、真っ先に補充すべき栄養素は「ビタミンB群」です。
本記事では精神疾患に効果的な栄養素「ビタミンB群」についてご紹介したいと思います。
- 1.ビタミンB群とは
- 2.ビタミンB群と脳機能
- 3.ビタミンB群不足で生じる病気とは?
- 4.統合失調症患者6000人を社会復帰させた医者
- 5.ビタミンB群を多く含む食材
- 6.ビタミンB群 個人的な経験談
- 7.最後に
1.ビタミンB群とは
ビタミンB群とはビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの総称です。
これらは単独ではなく、複合的に作用します。
ビタミンB群は別名で「代謝ビタミン」とも呼ばれています。
代謝ビタミンとはどういうことか?
ビタミンB群はあらゆる代謝に使われる栄養素です。
糖質・アルコール・薬・喫煙などたくさんの代謝にビタミンB群は関わっています。
加えて、ストレスでもビタミンB群は消費されます。
扱う情報量が爆発的に増えた現代はストレス社会とも呼ばれています。
そんな現代に生きる私たちはストレスにされされやすい環境にいます。
つまり現代人にとってビタミンB群は非常に消耗されやすい栄養素です。
現代人のビタミンB群消耗パターンの一例を挙げると・・・。
『仕事のストレス解消にビールで晩酌。締めにラーメン。』
よくあるケースかもしれませんが、ビタミンB群がゴリゴリ消耗されます。
- 仕事のストレス→ビタミンB群消耗
- ビール→アルコール代謝でビタミンB群消耗
- ラーメン→糖質代謝でビタミンB群消耗
ビタミンB群は非常に消耗しやすい栄養素です。
基本的にビタミンB群は足りないと考えた方がいいです。
また、ビタミンB群はその消費量が人によって大きく違うことも特徴です。
生活習慣や体質によって必要量が全く異なります。
国の基準量の半分でも平気な人もいれば、基準量の5倍以上摂らないと元気が出ない人もいたりします。
2.ビタミンB群と脳機能
ビタミンB群は脳機能と切っても切れない関係です。
というのも、ビタミンB群が不足すると脳機能が落ちるのです。
具体的には次のような症状が生じます。
- 頭の回転が落ちる
- 感情のコントロールができなくなる
- 気持ちが落ち込む
- 寝つきが悪くなる
- 悪夢を見やすくなる
上記の症状は、うつなどの症状と酷似します。
ビタミンB群が不足すると、なぜ脳機能が落ちるのか?
それは、神経伝達物質を作る際にビタミンB群が必要だからです。
神経伝達物質とは感情をコントロールする物質です。
例えば以下のようなものがあります。
- ノルアドレナリン→興奮作用
- GABA→抑制作用
- セロトニン→調節作用
これら神経伝達物質がうまくバランスされることで人の感情は安定します。
ところが、ビタミンB群が不足すると神経伝達物質がうまく作られません。
すると、神経伝達物質のバランスが崩れて感情が不安定になってしまいます。
3.ビタミンB群不足で生じる病気とは?
ここではビタミンB群が不足することで起こる病気を3つほど紹介します。
1つ目はウェルニッケ脳症。
飲酒等によってビタミンB1が不足して起こる脳の病気です。先ほども述べたように、飲酒するとアルコール代謝のために大量のビタミンB1が消耗されます。ウェルニッケ脳症は運動障害や意識障害を起こし、うつのような症状が生じる場合もあります。
2つ目は脚気。
こちらもビタミンB1の欠乏によって起きる病気です。脚気は全身の倦怠感やうつのような症状が起きる病気です。明治~大正の日本において脚気は国民病とも言える病気で、多くの人が亡くなりました。その原因は、白米の普及によってビタミンB1欠乏が広がったことでした。
3つ目はペラグラ。
聞き慣れない病名だと思います。ペラグラはナイアシンの不足によって起こる病気です。初期は皮膚炎から始まり、嘔吐下痢など消化器症状へと進み、重症化すると幻覚・妄想を引き起こします。20世紀まで栄養事情の悪いアメリカ南部で蔓延していました。その原因はトウモロコシに偏った食事でした。
3つほどビタミンB群不足によって起こる病気を紹介しました。
これらから言える教訓は、アルコール・炭水化物の摂り過ぎはビタミンB群不足を招きやすいということです。
ビタミンB群不足は、決して過去の話ではありません。
カップ麺や冷食など、我々の周りはビタミンB群の少ない加工品であふれ返っています。
飽食の時代と言われる現代人も、ビタミンB群不足の危機にさらされています。
4.統合失調症患者6000人を社会復帰させた医者
「ビタミンB群による精神疾患治療なんて聞いたことが無いぞ。実績はあるの?」と思うかもしれません。
実は、ビタミンB群による精神疾患治療で6000人もの統合失調症患者を社会復帰させた医者がいるのです。
その医者の名はエイブラハム・ホッファー(1917~2009)。
ホッファーは生涯で6000人もの統合失調症患者を社会復帰させた医者です。
統合失調症について聞き慣れない方もいると思いますので説明します。
統合失調症とは幻覚・妄想が現れる精神疾患です。
恐ろしい声で命令してくる幻聴や、自分が組織に見張られているという感覚―このような症状が患者を苦しめます。
かつては有効な治療法がなく、入院という形で施設へ閉じ込めるなどといったことが行われていました。
統合失調症に対するホッファーの治療法は、ナイアシン(昔はビタミンB3と呼ばれてた)とビタミンCを投与することで栄養状態を改善するというものでした。
ホッファーが精神科医として働き始めた1950年代には統合失調症の治療薬が開発され、幻覚・妄想を抑えること自体は可能となっていました。しかし、表情やその人らしさを失うという強い副作用があり、患者の社会復帰の妨げとなっていました。
一方、ホッファーのナイアシンとビタミンCによる治療法は、ただ症状を抑えるだけにとどまらず、数多くの統合失調症患者を社会復帰にまで導いたのです。
5.ビタミンB群を多く含む食材
ビタミンB群が多く含まれる食材は以下の通りです。
- 豚肉
- レバー
- あさり
- しじみ
個人的には、豚肉が日常的に食べやすいな~と感じています。
というのも、僕はレバーが苦手なので・・・。
もし「レバーが好きだ!」と言う方なら、積極的にレバーを食べることをオススメします。
あさり・しじみに関しては、時々オリーブオイルでアヒージョにして食べます。貝類は底味があるので、アヒージョにすると出汁が効いておいしいです。
栄養素の補給は基本的に食材中心が理想ですが、サプリメントによる補助も有効です。
僕自身、ビタミンB群に関してはサプリメントで補っています。
「サプリ何て邪道だ!」と以前は思っていたのですが、現実問題として毎日ビタミンB群を食材のみから摂るのは困難でした。現在はビタミンB群サプリを毎日飲んでいます。飲み始めて思ったのですが、サプリも悪くないなと思っています。やはり手軽さというのは、継続する上で重要なポイントだと思います。
6.ビタミンB群 個人的な経験談
ここからは個人の経験談です。
ビタミンB群サプリは飲んで本当に良かったと思っています。「もっと早く飲んでおくべきだった・・・」とも思っています。
というのも、飲み始めてから心身に良い変化が多く現れたのです。
まず、頭の回転が良くなりました。サプリを飲み始めてから思考がクリアになった気がするのです。以前よりも集中力が持続するようになった気もします。
次にストレス耐性が上がりました。何か傷つくとすぐにクヨクヨしていたのですが、ビタミンB群を多く摂るようになって「ま、いいか!」と思えるようになったのです。社交不安症を抱える自分にとって、これは驚きでした。
さらに疲れにくくなりました。ビタミンB群は代謝で大活躍する栄養素で、エネルギー生産にも関わっています。ビタミンB群を積極補充することで代謝がUPし、エネルギー生産が向上したことで疲れにくくなったのではないかと思っています。
7.最後に
もしあなたや、あなたの家族が精神不調で苦しんでいるなら、ビタミンB群を積極補充することをオススメします。
ビタミンB群はきっと力になってくれるはずです。