マサオのブログ

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うつはなぜ起きる? 近年注目されている脳の炎症説

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「うつはなぜ起きるのか?」

この問いに対する仮説は複数あります。

その中で、近年注目されているのが「うつは脳の炎症で起きる」という説です。

本記事では、うつと炎症の関係についてご紹介します。

 

 

1.炎症とは?

「そもそも炎症って何?」

このように思われた方も多いのではないでしょうか?

 

炎症とは身体を守る生体反応のことです。

例えば、ヒザを擦りむくとケガをした部分に液体が染み出し、痛みとともに皮膚は赤く腫れあがります。これが炎症です。

炎症は細菌などの有害な物質が侵入した際に身体を守るために生じます。

炎症は身体を守る防御システムであり、生存に必要なものです。

炎症という防御システムがなければ、僕たち人間は細菌・ウイルス・微生物といった見えざる脅威に対抗することができないのです。

 

炎症は体の表面だけではなく、内部でも起きます。

 

例えば花粉症や風邪です。

アレルギーの一種である花粉症は外からの異物に免疫が過剰反応し、目や鼻で炎症が発生した症状です。

風邪は体内に侵入した細菌やウイルスに対して免疫が攻撃を行い、体のあちこちで炎症が発生することで熱や鼻水、倦怠感といった症状が出ます。

 

2.現代人が抱える慢性炎症

傷や風邪といった炎症は一気に症状が現れ、短期間で終わります。

そのため非常にわかりやすいです。

 

しかし、現代人が抱える炎症は性質が違います。

現代人の炎症はジワジワとくすぶる慢性炎症なのです。

 

慢性炎症は症状が軽度のため見過ごされがちです。

そのため、慢性炎症は「何となく調子が悪い」で片付けられることが多いのです。

 

もし、あなたが今「なんとなく調子が悪い」と感じているなら、すでに慢性炎症で体中が燃えさかっている可能性が高いです。

 

3.よくある慢性炎症

「あなたは慢性炎症を抱えている」といきなり言われてもピンと来ませんね。

 

イメージをつかむため、現代人が抱えがちな慢性炎症の例を3つほどご紹介します。

 

1つ目は肥満。

肥満になると肝臓や腸といった臓器の周りに内臓脂肪が付きます。

内臓脂肪が増えると、脂肪細胞が分泌する炎症性物質によって臓器に炎症が発生します。

すると緩やかな炎症が続き、体はジワジワとダメージを受け続けます。

 

2つ目は睡眠不足。

睡眠不足は炎症性物質を増加させ、全身に炎症を引き起こします。

睡眠には日中のダメージを回復させる役割がありますが、睡眠不足になると回復が間に合いません。

その結果、全身に炎症が続き体は徐々に蝕まれていきます。

睡眠不足についてはこちらの記事も参照ください。

 

3つ目は歯周病。

歯周病とは歯を支える歯ぐきや骨が壊れていく病気です。

歯周病は歯と歯の隙間にある歯周ポケットに歯垢が溜まり、歯ぐきが炎症することで発症します。

歯周病が進行すると、口内で発生した炎症性物質が血流に乗って全身に巡り、体中がジワジワと燃えさかることになります。

歯周病についてはこちらの記事も参照ください。

 

4.うつは脳の炎症性疾患

「うつはなぜ起きるのか?」

この問いに対し、近年有力視されているのが「うつは脳の炎症性疾患」という説です。

 

体のどこかで生じた炎症によって発生した炎症性物質が血流に乗って脳に達し、脳機能を低下させるという説です。

脳機能の低下の具体例は以下の通り。

  • 情緒不安定
  • 焦燥感・不安感の増大
  • 頭の回転が鈍る
  • うつ症状

複数の調査で、うつ病患者は血液中の炎症性物質が多いことが判明しています。

また、血液中の炎症性物質濃度が高いほどうつ症状が重いことも分かっています。

 

「うつは脳の炎症性疾患」という説は、複数の実験データからも裏付けがされており、現時点でかなり精度の高い仮説であると考えられます。

 

 

5.炎症を鎮めればうつは軽くなる?

「炎症を鎮めればうつは軽くなるのか?」

結論から言うと、炎症の抑制はうつを軽くします。

 

臨床の現場では、痛み止めなどの抗炎症薬がうつによく効くことは有名です。

 

「じゃあ抗炎症薬を使おう!」と思うかもしれませんが、実はもっと入手が簡単なアイテムがあります。

 

それは魚油です。

 

魚油に含まれる栄養素DHAは抗炎症作用のある栄養素です。

 

「そんな魚油くらいで効くの?」と思われるかもしれません。

ただ、現実に魚好きは魚嫌いと比べうつリスクが50%低いという報告もあります。

さらに血中のDHA・EPA濃度が高い人はうつに悩む人が少ないという報告もあります。

 

うつに対する魚油の有効性については、こちらの記事も参照ください。

 

masao3.hatenablog.com

 

6.最後に

本記事は、『「うつ」は炎症で起きる』という本を参考に書きました。

かなり学術的な本なので、読みやすいとは言えませんが、うつと炎症の関係性について相当詳しく知ることができます。

トコトン知りたいという方にはオススメです。

 

 

炎症を抑えることは、うつのみならず、体全体の健康を保つうえでも重要です。

本記事が、あなたの炎症抑制への第一歩へとつながることを祈念します。