体の衰えを防ぎたい中高年にこそおすすめの筋トレ本
今回紹介する「プリズナートレーニング」は囚人トレーニングと言われる、器具を使わず自身の体のみで行う自重トレーニングについて専門的に書かれた筋トレ本です。自重トレーニングの例としては、腕立て・懸垂・スクワットなどが挙げられます。著者のポール・ウェイド氏は実際に囚人として刑務所に服役し、その間に自身を自重トレーニングで鍛え上げるとともにその筋トレ理論を体系化した異色の経歴の持ち主です。
ポール氏はダンベルやバーベルといったマシンを用いた筋トレに関してかなり否定的です。その理由として関節の怪我のしやすさを挙げています。ダンベルやバーベルは関節に過度な負担がかかり、恒常的に繰り返すことで炎症を起こしてしまいます。そのため、筋肉は鍛えられても関節が悲鳴をあげ、体全体としての機能が低下してしまうと論じています。
一方の自重トレーニングは、自身の体重以上の負荷がかからないため関節を痛めにくいです。健康のために筋トレをして、関節を痛めてしまったら元も子もありません。この点で自重トレーニングはマシンを用いた筋トレよりリスクが少ないです。
また自重トレーニングはマシンが必要ないため、お金がかかりません。自分の身一つでどこでも行うことができます。この点も自重トレーニングの魅力かと思います。
では今回のタイトルにあるように、なぜ中高年におすすめと書いたのかを説明します。その理由は以下の2つです。
1.体力に自信がない方でも容易に行える
この本は背筋・胸筋・大腿筋などの部位ごとのトレーニングをそれぞれ10段階のレベルで記述しています。第1レベルは体力に自信がない方でも容易に行えるものです。容易ではありますが、筋肉にしっかりと負荷はかかるので着実に鍛えることができます。ちなみに物足りない方は上のレベルが用意されていますので心配は無用です。第10レベルとなると熟練アスリートの域です。
2.関節を痛めるリスクが低い
先述のとおり、自重トレーニングは関節を痛めるリスクが低いです。健康増進のために筋トレをして、関節を痛めてしまっては元も子もありません。本書は筋トレ本でありながら、筋肉と同じくらい関節を重視している本です。筋トレを通じた関節の強化に関しても記述がある程ですので、本書のトレーニングで関節を痛めるリスクはかなり低いと思います。
今回はおすすめの筋トレ本「プリズナートレーニング」についてご紹介しました。かなりイカツい表紙ですが、その中身は自重トレーニング理論について体系的に書かれた硬派な本です。特に関節に関してここまで重視している筋トレ本は珍しいと思います。興味を持った方は本屋で手に取ってみてください。